30うん歳の頃、関西から東京の新宿に単身赴任で"仕事も事務所"、寝るのも"事務所"、だった。
数年続くと、事務所(支社)に帰って「食事」の仕度をするのさえ酷い苦痛になった。
食事の準備は面倒くさいし、
ひとりっきりの食事も味気ない、そして、時々 虚しくもなる。
シゴトも休養も"同じ場所"だと『気分転換』が出来ず、ストレスが少しづつ溜まっていくようだ。
仕事の成績は わるくはなかったと思うが
一人で飲みに行く気にもなれず、晩食をすることさえ億劫になってしまった。
これではいけないと数日悩んでいた。
そしてある時、ふっと
"もしかすると料理が趣味と思えば···"
という考えが浮かんできた。
"ちょっと手の込んだディナーを···"
"少し洒落たセッティングもして····"
"一輪挿しでも飾ってみようか···?"
·····なんて、想像してみた。
··········なんだろう、
仕事と寝場所の環境も、いま置かれている状況も、なにも変わっていないのに、
『晩食準備のストレス』が
一気に消えてしまった。
·····そう、物事への視点を、ほんの僅かずらすだけで、"現実"は変わる。
もしかすると"今"の『苦しさ』もそうなのかもしれない。
この気づきは、
"苦もまた楽の生みの親" ってことなのか··。